怖い夢を見ました。
不思議の国のアリスみたいな世界。
どこかから長い時間落っこちたり、落ちた先のいろんなドアを次々に開けたりして、ずんずん進んでいく私。
ある部屋に飛び込んで扉を閉めると、そこでは戦争をしていました。
たくさんの兵士たちが刃物や鈍器で殺し合っている。
彼らは皆カラフルなシルエットで顔はのっぺらぼうなのに、全員泣いているのが何故かわかりました。
その光景をぼんやりと見ていたら、兵士たちがいつのまにか私に気付いていて、ギロリと睨まれグルリと囲まれ、私は逃げられず、…………。
と、そこで目が覚めました。
漫画みたいに肩で息をしながら、ふと隣に眠るムスメを見て急に涙が出ました。
ムスメが生きている間に戦争になったらどうしよう。
お金持ちにも有名にもならなくていいから
誰からも暴力を受けることなく、ぬるま湯のような退屈で平凡な人生を送って、最期は柔らかい布団の上で眠りについて欲しい。
姉と海岸を散歩していて出会ったお爺さんと世間話をしていた時に
「この島はいいところだ」と話すのと同じ声色で「先のことはわからねぇけど、人間がまた戦争をするってことは確かだな」とさらりと言っていたことを不意に思い出す。
あのお爺さんはその目で何を見てきたんだろう。
二度の大戦があった昭和。
たくさんの災害があった平成。
どうか、令和が馬鹿みたいに平和な時代でありますように。