ふつつかものですよ

結婚4年目 2018年12月女の子を出産。育児関連の書評、日常について綴っています。ふつつかものですが日々開き直って生きています。

書評『夜泣き・イヤイヤ・人見知りにも理由があった!最新科学でハッピー子育て』~漠然とした子育ての不安を科学的な視点からみつめる

子育て×科学の本。

 

『  夜泣き・イヤイヤ・人見知りにも理由があった!最新科学でハッピー子育て 』

NHK出版

 

 

 

NHKのドキュメンタリー番組『NHKスペシャル』で2016年1月~複数回放送された『ママたちが非常事態!?最新科学で迫る「ニッポンの子育て」』シリーズの書籍化です。

 NHKスペシャル | ママたちが非常事態!?~最新科学で迫るニッポンの子育て~

NHKスペシャル | ママたちが非常事態!? 2 ~母と“イクメン”の最新科学~

 

前書きより

「ママたちへ。子育てがつらいのは、決してあなたのせいではない」(中略)

なぜ人間の子育ては大変なのか、その理由を知ったところで夜泣きやイヤイヤはなくなることはなく、ママたちの不安も孤独も本当の意味では解消されません。

しかし、科学が教えてくれる客観的な視点は、これからの子育てを変える一歩になりうるはずです。

『夜泣き・イヤイヤ・人見知りにも理由があった!最新科学でハッピー子育て』P3

 

『イヤイヤや夜泣きを科学の英知をもって攻略する!』

のような、即効性を求めた本ではありません。

「どうして大変なのか」の理由を教えてくれる本です。

 

この番組は見ていないのですが、毎年定期的に再放送して欲しい~!

「産後こんなに不安なのは自分が未熟なせいかも・・・」なんて悩むお母さんが救われると思う。

YouTubeにあがってないかなぁ・・・。

 

もくじ(・印以下は複数の項目より抜粋)

1章 なぜか不安。いつも孤独。どうしてこんなにつらいの?

  • 産後、どうしてこんなに不安になるの?
    誰もが産後うつの可能性を抱えている

  • ひとりで子育てできないと母親失格?
    不安や孤独を感じるのは共同養育を促すため

  • 母親なら子育てができてあたり前!?
    楽しい時間を共有しても癒されない毎日

2章 「困った」が止まらない。どうする?育児の三重苦。

  • 一体いつまで続くの?~夜泣き~
    ママの体を守る「しくみ」が夜泣きの原因に

  • ママ以外はみんなダメ?~人見知り~
    涙の理由は脳の「前頭前野」にあった

  • 何がそんなにイヤなの?~イヤイヤ期~
    前頭前野が発達しないと欲求は抑えきれない

3章 こんなにも大変な子育て。夫婦なのに分かり合えないのはなぜ?

  • ママの「激イラ」の原因は?
    0~2歳の子を持つ夫婦の離婚率がいちばん高い

  • 男女の「子育て脳」ってどう違うの?
    子育てに協力的なパパにもイラっとくる

  • 男性は子育てに向いていない?
    育児を体験したあとの脳は複数カ所が活性化

  • 父親からもオキシトシンが出るってホント?
    赤ちゃんを見つめるだけでオキシトシンが出る

4章 私たち、どうしたらハッピーな子育てができますか?

  • 知りたい!これからの新しい子育てのかたち

 

 

 

以下心に残った事抜粋

 
・人間は仲間同士で子育てするように進化してきた

チンパンジーは出産後5年間は育児にかかりきりで、ある程度育て上げてから次の子どもを産む。

人間は仲間と一緒に子育てをする(共同養育)ことで、手のかかる乳幼児を抱えていても、毎年でも子供を産めるように進化した。

生まれて間もない子供を他人に預けられるのは人間特有。

出産後に孤独や不安を強く感じるのは、本能的に「仲間と子育てをしたい」と感じるから。

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産後実家からアパートへ戻る時にいいようのない不安を感じたことを思い出しました。

現代のワンオペ育児って、本能を抑え込んでいる異常な状態なんですね・・・。

産後うつの発症や虐待をしてしまう背景はこれなのでは。

 

・今の母親には子育ての知識と経験がたりない

 人工保育されているチンパンジーの約半数は出産後赤ちゃんを抱きもせず育児放棄してしまう。

仲間の出産や育児を目にする機会が少ないことが原因のひとつ。

 

とある実験で、出産経験のない女子大生たちに3か月間にわたり週1日数時間赤ちゃんのお世話を体験してもらうと、脳の育児にかかわる部分の働きが活性化することが確認できた。

このことから、母性は生まれつき備わっているのではなく、体験する中でスイッチが入り、妊娠出産で本格的に活動すると考えられる。

しかし、核家族少子化・地域の関わりが薄れた現代日本では、出産するまで赤ちゃんに触れあう機会が乏しく、このスイッチが入らないまま出産することが多い。

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難しい問題ですね・・・。

ムスメが成長しても、どうにか赤ちゃん~幼児と触れ合う時間を作りたいな。

 

 ・人見知りの科学

通常、慣れない人と目が合う→恐怖や不安を感じる「偏桃体」が反応→相手が危険でないと分かると「前頭前野」という部分が恐怖を抑えてくれる。

 

人見知りの時期の赤ちゃんは、ママとそれ以外の人との区別がつくようになるため積極的に他の人を見る→「偏桃体」が反応→「前頭前野」の発達が未熟な為、恐怖を抑えられず泣いてしまう。

脳が発達する事で人見知りは収まる。

また、人見知りの相手とママがリラックスして接しているところを見ると赤ちゃんは次第に安心する。

 

自分から見に行ってるのに反射的に泣いてしまうって、かわいい・・・。

 

・無理やり我慢させても、子供の脳の抑制機能は決して発達しない

「ダメ!」と叱られると、子供の脳内では恐怖や不安をつかさどる「偏桃体」が働き、「怖いから我慢しよう」と考えるが、この時我慢をつかさどる「前頭前野」はうまく働いていない。

前頭前野を発達させるには「子どもが自分から我慢する」ように促すことが大事」。

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これ、まさに同じことが以前読んだ「わらべ歌で子育て」に書いてあったー!

昔の人の子育ての知恵ってすごい。

hututuka.hatenablog.com

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具体的には

  • 子供にとって分かりやすいルールをきめる
  • なぜルールを守って我慢するのか理由を考えさせる
  • 納得させて自主的に我慢させる

というプロセスを何回も繰り返し、我慢ができたら褒める。

「我慢ができた達成感を味合わせる」ことが大事。

ごほうびで釣るのはあくまで緊急手段。

(本には実例も載っています)

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イヤイヤ期に備えて覚えておこう・・・。

 

・産後のガルガル期=愛情&攻撃ホルモン「オキシトシン」の働き

妊娠・出産中によく耳にするホルモン「オキシトシン」。

愛情ホルモンとも呼ばれるが、我が子を敵から守るために少しでも不快を感じると攻撃性を高めるという面もある。

夫が育児に非協力的だとこのホルモンの影響で攻撃の対象になる。

 

対策

実験では、産後で24時間ストレス値が高いママも、夫と向き合い会話している時間はストレス値が下がった。

会話の中に具体的なアドバイスや解決法が無くても、夫に悩みを受け入れてもらえるとママはリラックスし攻撃性が低くなる。

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いわゆる「ガルガル期」ですね。

ちなみに私はガルガル期は全くありませんでしたが、この本を読んで納得しました。

夫の立ち合い出産~育児について今度まとめてみたいと思います。

 

・男性も育児をすると「オキシトシン」が出る

男子大学生に週1日数時間赤ちゃんと接してもらい、実験前と育児体験を3ヶ月続けた後の脳を比べたところ「子どもに愛着を感じる場所」が活性化していた。

また、父親41人に15分間我が子と触れあってもらう実験をしたところ、その前後で父親も子供も「オキシトシン」が体内で増えていた。

オキシトシンは子供の肌に触れたり見つめることで分泌される。

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こちらの本にも同じ記載がありましたが、男性でもオキシトシンが出るのはもっと知られて欲しい!

 

hututuka.hatenablog.com 

 

 

どのジャンルでもそうですが、関連する書籍を複数読んでいると細かい部分はさておき大事なところは似通っているって事に気が付きます。

(正しいかはまた別だけど。。流行の考えだったり、その時点での説、ということもありますし)

 

ネットの情報の海に溺れそうになっていた頃よりは『こんな子育てがしたい』っていうイメージがおぼろげながら出来てきた・・・ような気がする。

hututuka.hatenablog.com

 

 

無意識に自分が欲しい情報ばかり集めているかも・・・という心配もあるので、引き続き色んな本を読んで感想をまとめたいと思います。